3月20日のニュース
FAMが「疑惑のPK 」を与えた審判を停職処分に
マーライオンカップ出場のU23代表候補発表
「条件が合えば」自チームの選手はいつでも招集に応じる-JDTオーナー
政府の芝張り替え支援を利用しないチームは素人集団が運営している-JDTオーナー
FAMが「疑惑のPK 」を与えた審判を停職処分に
マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトで、スーパーリーグ第5節のサバFC対ペナンFC戦で主審を担当したズルカルナイン・ザカリア氏に対して停職処分を課したことを発表しています。
3月18日にFAMの審判評価委員会が開かれ、3月17日に行われたサバFC対ペナンFC戦の審判評価者からの報告と映像を確認した上で協議を行った結果、ズルカルナイン主審が41分と90+9分に与えたPKは「判断を誤った」結果与えられたものであると決定を下しています。
FAMのノー・アズマン事務局長名で発表されたこの決定により、FAMはズルカルナイン氏に対して今季のスーパーリーグの試合について審判業務の停職処分を課しています。また審判評価委員会は同時に全ての審判員に対して「サッカー全般を理解した上で」最善を尽くすよう警告しています。さらに今後のスーパーリーグにおいてFAMが設けた基準に達しない判定を行なった審判に対しては、厳格な処分も辞さないとしています。
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この試合で4回のPKを与えたズルカルナイン主審ですが、指摘されているPKはいずれも誤審に見えます。しかしそれとは別にプロ審判育成もコロナを理由に延期、VARの導入にも消極的なFAMが、国内審判のレベルアップにしてきたことは何なのでしょう。クラブの民営化を図る一方で、試合はアマチュアの審判に任せながら、その質が上がらないことを審判だけの責任とするような発表内容が気になりました。FAM自身が個人の資質だけに頼っている現在の審判育成方法を見直し、まずはプロ化とVAR導入を進め、さらに外部から指導者を招く、あるいは他国リーグへ研修に出すなど、より積極的な(=金を掛けた)取り組みをFAMには求めたいです。
マーライオンカップ出場のU23代表候補発表
2019年以来4年ぶりの開催となるマーライオンカップに出場するマレーシアU22代表のメンバー26名がマレーシアサッカー協会の公式サイトで発表されています。この大会は3月24日から26日まで、開催国シンガポール、マレーシア、香港、カンボジアの4カ国のU22代表が対戦する大会で、マレーシアはカンボジアと、シンガポールは香港と3月24日に対戦し、その勝者が3月26日の決勝へ進み、敗者は同日に行われる3位4位決定戦に回ります。
氏名 | 年齢 | 所属 | |
MF | ナジムディン・アクマル | 19 | JDT II |
MF | ファーガス・ティアニー | 20 | JDT II |
MF | ダリル・シャム | 21 | JDT II |
MF | アダム・ファルハン | 19 | JDT II |
MF | ハイカル・ハキーミ・ハイリ | 20 | SEL |
MF | シャヒル・バシャー | 22 | SEL |
MF | ムカイリ・アジマル | 22 | SEL |
FW | アリフ・イズワン・ユスラン | 19 | SEL |
MF | R・ルヴェンティラン | 22 | SEL |
DF. | ファクルル・ファリーズ・アイディ | 20 | SEL |
DF | ハリス・ハイカル | 21 | SEL |
DF | ジクリ・カリリ | 21 | SEL |
GK | シャーミ・アディブ・ハイカル | 20 | SEL |
FW | ハキミ・アジム・ロスリ | 20 | KLC |
FW | スハイミ・アブ | 22 | KLC |
MF | T・サラヴァナン | 22 | KLC |
DF | ナズウィン・サレー | 22 | KLC |
GK | アズミン・アリ・アミン・カマルディン | 22 | KLC |
MF | ムスリフディン・アティク・マット・ザイド | 22 | TRE |
DF | アザム・アズミ | 22 | TRE |
DF | サウワン・マズラン | 21 | TRE |
MF | ウバイドラー・シャムスル | 20 | TRE |
GK | ラーディアズリ・ラハリム | 22 | TRE |
FW | アイマン・アフィフ | 22 | KDA |
MF | アフマド・アズラフ | 22 | KDA |
DF | アズリン・アフィク | 21 | KDA |
以下はケガ人などが出た際の交代要員として予備登録される可能性がある12名です。
氏名 | 年齢 | 所属 | |
MF | イズリン・イブラヒム | 19 | SEL |
DF | ファイズ・アメル | 20 | SEL |
MF | ファリス・イズディハム | 22 | PRK |
MF | イクワン・ハフィゾ | 21 | PRK |
MF | ファーミ・ダニエル | 22 | PRK |
DF | ハスヌル・ザイム・ザフリ | 21 | PRK |
FW | ニック・ウマル・ニック・アジジ | 22 | PRK |
MF | シャキミ・カリム | 22 | NSE |
GK | フィルダウス・イルマン | 22 | NSE |
MF | チア・ルオ・ハン | 22 | JDT II |
DF | ウマル・ハキーム | 21 | JDT II |
FW | ザルミエン・アシュラフ・イスマイル | 21 | KDA |
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ムカイリ・アジマル(スランゴール)、ハキミ・アジム・ロスリ(KLシティ)、アザム・アズミ(トレンガヌ)などA代表でもプレー経験がある選手を含め、複数のチームがトップチームでプレーする選手が選ばれており、今年5月に開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズの前哨戦としては楽しみなメンバーになっています。今回のシーゲームズ開催国であるカンボジアで指導する本田圭佑氏が、現地での指導の集大成と位置付けているU22代表との対戦は特に楽しみです。
「条件が合えば」自チームの選手はいつでも招集に応じる-JDTオーナー
昨年末から今年初めにかけて開催された東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022は、東南アジアNo. 1を決める大会ながらFIFA国際マッチカレンダー(FIFAカレンダー)外で開催されましたが、これによって所属選手の代表招集に応じる義務がなかったことから、スーパーリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジム(JDT)からは大量11名が代表招集を辞退しています。
今週は2023年第1回のFIFAカレンダーで、マレーシア代表はトルクメニスタン、香港と2試合の国際親善試合を行いますが、代表が公式戦で使用するクアラルンプールにあるブキ・ジャリル国立競技場が現在改修工事中のため、この2試合はJDTのホームであるジョホール州のスルタン・イブラヒムスタジアムで開催され、これに先立つ代表合宿もJDTの練習施設を使用して行われています。
今回の代表戦と合宿に施設を提供したJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアの通信社ブルナマの取材に応じ、「選手の雇用主としての観点から言えば、FIFAカレンダー外の試合は何の利点もなく、時間の無駄でしかない。」と話しています。さらにJDTが持つ施設や専門知識などはマレーシア代表に提供する用意があり、JDTの選手は代表招集に喜んで応じさせると述べる一方で、これらは全て代表戦がFIFAカレンダーで開催されることが大前提であるとも話しています。
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前述の三菱電機カップでJDTの選手が大量に代表招集を辞退したことから、イスマイル殿下が代表にJDTの選手を送り出すことに乗り気でないなのではという意見がSNSなどでも広く見られていましたが、殿下の今回の発言はこれを否定する意図があるようです。とは言え、特に三菱電機カップや東南アジア競技大会通称シーゲームズなど、東南アジアの大会はこのFIFAカレンダー外となることが多く、U22代表のE・エラヴァラサン監督は5月のシーゲームズではアリフ・アイマンを招集したいといった発言をしていますが、この大会はFIFAカレンダー外であることからJDTの選手がプレーすることはなさそうです。
マレーシア政府の芝張り替え支援を利用しないチームは素人集団が運営している-JDTオーナー
このブログでも以前取り上げたマレーシア政府の青年スポーツ省による各州のスタジアムの芝張り替え支援策ですが、この支援を受けないことを決定した州サッカー協会に対して、ジョホール・ダルル・タジムタジム(JDT)のオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が激しく批判しています。
ブキ・ジャリル国立競技場のピッチをゼオン・ゾイシア芝に張り替える改修工事開始式典に出席した後の記者会見で報道陣の質問に答えたイスマイル殿下は、年間の維持管理費用が高いことを理由に州の主要なスタジアムでのゼオン・ゾイシア芝への張り替えを拒否している一部の州のサッカー協会の考えが理解できないと述べ、年間およそ30万マレーシアリンギ(およそ880万円)かかるとされる維持管理費用が捻出できないはずがないと指摘しています。
「スーパーリーグを運営するMFLからは、各チームに対して最低でも800万マレーシアリンギ(およそ2億4000万円)の分配金が出ていることを考えると、30万マレーシアリンギが捻出できないという説明は到底理解できない。中には1000万マレーシアリンギを超える資金援助を州政府から得ているチームもある中で、維持管理費用が払えないはずが捻出できないはずがない。」と述べたイスマイル殿下はさらに「そういったチームはおそらくサッカーのことも知らず、興味もなく、(芝を張り替えることによる)中長期的な計画を理解しない人物によって運営されているのだろう。」「サッカーが発展している国はどこでもピッチを良い状況に保つことに関心を持っており、クラブレベルでも良いピッチを持っているチームこそが良いチームと考えている。マレーシアもこのような考え方に変わっていくべきにもかかわらず、そういった考えを全てのチームが持つまでにあとどのくらいかかるのか。」と嘆いてもいます。
ハンナ・ヨー青年スポーツ相は先日、青年スポーツ省がサッカー環境改善のため、ゼオン・ゾイシア芝に張り替える費用を全額負担する用意があることを明らかにしています。これに伴い芝の張り替えを希望する州サッカー協会に対しては、州内からスタジアムを一つ選ぶことを求めていました。ただし芝張り替え後の年間維持管理費用については各州サッカー協会が負担するとしたことから、全ての州が芝の張り替えを望んでいないことが明らかになっていました。