2023マレーシアスーパーリーグ
第5節結果とハイライト映像-ヌグリスンビランは今季初白星、ジョホールはライバル粉砕、サバはそのジョホールを追走
3月16日から19日にかけてスーパーリーグ第5節が行われました。今節を終えて、全勝はジョホール・ダルル・タジムの1チームのみとなり、早くも独走の雰囲気が漂っています。その一方でKLシティ、ペナン、クランタン・ユナイテッドの3チームは未だ未勝利のままで、上位チームと下位チームの差がつき始めています。
来週はFIFA国際マッチカレンダー期間となることから、スーパーリーグは一時中断となり、次節第6節は3月31日と4月1日に開催されます。
2023年3月16日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
観衆:3,203人
ヌグリスンビランFC 2-1 トレンガヌFC
⚽️ヌグリスンビラン:レヴィ・マディンダ(28分)、カサグランデ(67分)
⚽️トレンガヌ:アディサック・クライソーン(45+2分)
🟨ヌグリスンビラン:アルーン・クマル
🟨トレンガヌ:ハビブ・ハルーン
MOM:シーク・イズハン・ナズレル(ヌグリスンビランFC)
ヌグリスンビランが待望の今季初勝利
前節今季初勝利を挙げたトレンガヌが今季未勝利のヌグリスンビランと対戦。ジョホール・ダルル・タジムから期限付き移籍中のレヴィ・マディンダのゴールでホームのヌグリスンビランが先制しましたが、前半終了間際にアディサック・クライソーンが待望のマレーシア初ゴールを決め、トレンガヌが追いつきました。
しかし後半の67分には自陣ゴール前でのトレンガヌDFアザム・アズミのクリアミスをトミー・マワトが折り返し、これをカサグランデが押し込みゴール!これが決勝点となり、ヌグリスンビランが今季初勝利を挙げています。
トレンガヌは、前節から復帰したハビブ・ハルーンがこの試合でもリズムを作り、アディサック選手が今季初ゴールを挙げるなど、改善点は見られたものの、サポーターからチーム不振の元凶とされている帰化選手のリリドン・クラスニキがこの試合でも機能せず、連勝とはなりませんでした。また今季は開幕前には期待が高かっただけ、今季から指揮を取るトミスラフ・スタインブリュックナー監督への風当たりもさらに強くなりそうです。
2023年3月16日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
観衆:5,855人
ペラFC 0-3 スリ・パハンFC
⚽️パハン:クパー・シャーマン(13分)、ステファノ・ブルンド(37分)、ズハイル・アイザット(74分)
🟨ペラ:なし
🟨パハン:エゼキエル・アグエロ、ケヴィン・イングレッソ
🟥ペラ:ナスロル・アムリ
MOM:ステファノ・ブルンド(スリ・パハンFC)
パハンが地味に今季無敗記録を更新。
3月8日のFAカップ1回戦で対戦している両チーム。この時はパハンがペラを2-1で下しています。この試合では先制を許しながら、逆転勝ちしたパハンですが、この日の試合は早々と13分にエースのFWクパー・シャーマンのゴールで先制しました。さらに36分にはこのシャーマン選手がアシストし、ステファノ・ブルンドがゴールを決めたパハンリードを2点に広げました。
ペラにとって痛かったのは39分にパハンのエゼキエル・アグエロに後ろからタックルしたナスロル・アムリが、今季5試合でチーム4枚目となるレッドカードで退場となったことでした。劣勢に回る場面が多い試合で数的に不利になってしまってはなすすべもなく、後半の74分にさらに失点を重ねたペラはパハンに完敗しています。一方のパンは開幕からの無敗記録を2019 年シーズン以来となる5試合に伸ばしています。
2023年3月17日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
観衆:11,711人
サバFC 5-2 ペナンFC
⚽️サバ:パク・テス2(3分、59分)、ダレン・ロック(45分PK)、ダニエル・ティン(55分)、リザル・ガザリ(45+12分PK)
⚽️ペナン:スーニー・サアド(8分)、アドリアーノ(90+1分PK)
🟨サバ:ダニエル・ティン、サディル・ラムダニ、ジャイルトン・ダ・シルヴァ、スチュアート・ウィルキン
🟨ペナン:カトゥル・アヌアル、ウスマン・ファネ、ゾー・ミン・トゥン
MOM:パク・テス(サバFC)
ジョホールに追走
リーグ2位のサバがペナンに勝利し、首位ジョホールを勝点2差で追走しています。前節第4節のパハン戦で退場処分を受けたオン・キムスイ監督が不在ながら、この試合でも2ゴールを決めたパク・テスがチームトップとなる4ゴール、さらに来週の代表戦に初招集されたダニエル・ティンが2試合連続ゴールを決めるなど、5試合で15点とリーグ2位の攻撃力でペナンを圧倒しています。
今季未勝利のペナンは、この試合5失点のうち2本のPKはいずれも疑わしい判定に基づいて与えられた不運なものでしたが、それでもサバとの力の差は歴然としており、今後も苦しいシーズンが続きそうです。
2023年3月17日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)
観衆:6,678人
クランタンFC 2-2 KLシティFC
⚽️クランタン:ケニー・パッラジ(41分OG)、ファズルル・アミル(45+2分)
⚽️KLシティ:チェチェ・キプレ(11分)、デクラン・ランバート(34分)
🟨クランタン:アフザル・アクバル、ニック・アミン、マリオ・アルケス、アリプ・アミルディン
🟨KLシティ:セバスチャン・アヴァンジーニ
MOM:ミゲル・シフエンテス(クランタンFC)
KLシティは今季4試合で3試合が引き分け
今季ここまで1勝のクランタンと未勝利のKLシティの対戦は引き分けに終わっています。新加入のチェチェ・キプレの今季初ゴールで11分に先制したKLシティは、デクラン・ランバートも今季初ゴールを決めて2-0と、試合のペースを掴んだように見えました。しかしオウンゴールで1点差とされた後、DF陣が隙を突かれて同点とされ、前半は2-2で終了しました。
後半は両チームともチャンスは作るものの、ともにフィニッシュの精度が低く、結局2-2のまま試合は終了しています。KLシティは今季4試合でこれが3度目の引き分けとなり、リードを守りきれない展開が続く今季を象徴するような試合で初勝利を逃しています。クランタンはこの試合を含めた5試合でリーグ最多の13失点を喫しており、リーグ中断期間には守備陣の立て直しが課題となりそうです。
2023年3月17日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:14,462人
スランゴールFC 0-4 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️ジョホール:フアン・ムニス(55分)、ジオゴ(66分)、フェルナンド・フォレスティエリ2(77分、82分)
🟨スランゴール:アフマド・ジクリ、シャルル・ナジーム
🟨ジョホール:アリフ・アイマン、マシュー・デイヴィーズ
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(ジョホール・ダルル・タジム)
ジョホールがスランゴールを粉砕し早くも独走の予感
開幕から前節第4節までリーグ最多の17得点を挙げているジョホールが、同じく前節4節までリーグ最小2位の2失点のスランゴールと対戦した試合は、開始直後こそ互角で始まったものの、その後は徐々にジョホールのペースで進みました。自陣に押し込まれる場面が多くなったスランゴールは、それでもカウンターで応戦しチャンスを作るものの、ラストパスの精度が低く得点には至ラズ、前半は0-0で終了しました。
勝負の名案を分けたのは攻守の切り替えのスピードの差でした。55分にスランゴールボールを奪って反攻に転じたジョホールはファン・ムニスのゴールで先制すると、そこからは怒涛のゴールラッシュ。終わってみれば4-0の圧勝でした。また外国籍選手の存在感の違いも大きく。スランゴールのFWエイロン・デル・ヴァイエ、MFノール・アル=ラワブデ、そして途中出場のMFヨハンドリ・オロスコらは得点シーンに絡むことも少なかった一方で、ジョホールの4ゴールはいずれも外国籍選手、しかも昨季の得点王ベルグソン・ダ・シルヴァを欠きながらでこの結果でした。
最後は代表に選出されながら、今季未だ出場のなかったDFシャーミ・サファリを起用する余裕まで見せたジョホールが今季負けなしだったスランゴールを一蹴した試合でした。
2023年3月17日@ダルル・アマンタジアム(クダ州アロー・スター)
観衆:7,662人
クダ・ダルル・アマンFC 3-0 クチンシティFC
⚽️クダ:アクマル・ザヒル2(28分、49分)、マヌエル・イダルゴ(58分)
🟨クダ:ワン・アミルル・アフィク、リー・タック
🟨クチンシティ:アリフ・ハサン、ザフルル・ニズワン、ジミー・レイモンド、ジョセフ・カラン・ティー、アブ・カマラ、アダム・シリーン・タムビ
🟥クダ:ワン・アミルル・アフィク(🟨x2)
MOM:アクマル・ザヒル(クダ・ダルル・アマンFC)
クダが連勝で3位浮上、開幕戦勝利のクチンシティは4連敗
クダが伏兵のアクマル・ザヒルがリーグ3年ぶりのゴールを含めた2ゴールを挙げ、チームも2試合連続となる3ゴールを挙げて快勝し、順位を3位に上げています。
クチンシティは開幕戦に勝利した後から4連敗とスーパーリーグの壁にぶつかっています。この連敗中は1得点12失点と攻守とも精彩がなく、昨季2部プレミアリーグ得点王のアブ・カマラもこの間でわずか1ゴールと苦しんでいます。
クチンシティの谷川由来選手は先発して86分に交代しています。
2023年3月17日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・じゃや)
観衆:202人
PDRM FC 2-0 クランタン・ユナイテッドFC
⚽️PDRM:ズルファーミ・アブドル・ハディ(10分)、ウチェ・アグバ(31分PK)
🟨PDRM:ジェームズ・オクオサ、チョー・ミン・ウー
🟨クランタン:アシャラフ・オマル、ファンディ・オスマン、アキル・ヒルマン
PDRMが2勝目を挙げまさかの6位浮上
試合開始時には激しい雨が降っていたMBPJスタジアム。この雨と午後5時30分キックオフという入れの時間だったこともあり、前日のスランゴール対ジョホール戦では1万4000人以上が押しかけたMBPJスタジアムでしたが、この日は公式発表で観客は202名でした。
試合はウチェ・アグバのシュートをクランタンGKアシャラフ・オマルが弾いたところにをボールに詰めていたズルファーミ・アブドル・ハディが蹴り込んでホームのPDRMが先制しました。その後も激しさを増す雨により水が浮くピッチではボールも止まり、サッカーというよりはボールの蹴り合いとなりましたが、そんな中でペナルティエリアまでドリブルで持ち込んだウチェ・アグバがGKアシャラフ・オマルに倒され、PDRMはPKを得ます。これをウチェ選手が自身今季初ゴールとなるシュートを決めて2-0としたPDRMが、そのまま逃げ切り、今季2勝目を挙げています。
開幕からの5試合で勝点1のクランタンUの初勝利はおあずけとなりました。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は68分から交代出場しています。
2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第5節終了時)
順位 | チーム | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 | 差 | 勝点 |
1 | JDT | 5 | 5 | 0 | 0 | 21 | 1 | 20 | 15 |
2 | SAB | 5 | 4 | 1 | 0 | 15 | 5 | 10 | 13 |
3 | KDA | 5 | 4 | 0 | 1 | 11 | 4 | 7 | 12 |
4 | SEL | 5 | 3 | 1 | 1 | 9 | 6 | 3 | 10 |
5 | SRP | 5 | 2 | 3 | 0 | 10 | 4 | 6 | 9 |
6 | PDRM | 5 | 2 | 1 | 2 | 3 | 5 | -2 | 7 |
7 | PRK | 5 | 1 | 2 | 2 | 3 | 7 | -4 | 5 |
8 | NSE | 4 | 1 | 2 | 1 | 3 | 9 | -6 | 5 |
9 | TRE | 5 | 1 | 1 | 3 | 2 | 5 | -3 | 4 |
10 | KEL | 5 | 1 | 1 | 3 | 7 | 13 | -6 | 4 |
11 | KLC | 4 | 0 | 3 | 1 | 4 | 7 | -3 | 3 |
12 | KCH | 5 | 1 | 0 | 4 | 3 | 13 | -10 | 3 |
13 | PEN | 5 | 0 | 2 | 3 | 5 | 11 | -6 | 2 |
14 | KLU | 5 | 0 | 1 | 4 | 3 | 9 | -6 | 1 |
2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第5節終了時)
順位 | 選手名(所属チーム) | 得点 | シュート | 枠内S | アシスト | 試合 |
1 | フェルナンド・フォレスティエリ(JDT) | 5 | 18 | 11 | 3 | 5 |
2 | パク・テス(SAB) | 4 | 10 | 6 | 0 | 5 |
3 | アリフ・アイマン(JDT) | 3 | 8 | 5 | 2 | 5 |
ジオゴ(JDT) | 3 | 8 | 5 | 1 | 3 | |
エンドリック・ドス・サントス(JDT) | 3 | 5 | 5 | 0 | 4 | |
フアン・ムニス(JDT) | 3 | 15 | 9 | 0 | 5 | |
サディル・ラムダニ(SAB) | 3 | 7 | 6 | 2 | 5 | |
ノー・アル=ラワブデ(SEL) | 3 | 3 | 3 | 0 | 5 | |
ステファン・ブルーノ(SRP) | 3 | 10 | 4 | 0 | 5 | |
クパー・シャーマン(SRP) | 3 | 9 | 4 | 2 | 5 |